アラカンナースひとり暮らし

大波小波を乗り越えて、その先の景色を楽しみに。

ナースを目指した私の原点

看護師として働くようになり、もう35年近くになります。

在宅医療に関わるようになってから、20年近くになります。

在宅に関わらせて頂く中、病院ナース時代には見えなかった世界が、そこにはありました。

病棟では、ベッドに居られる1人の患者さん。

その社会的背景は、見えにくいです。

でも在宅医療では、その方のお宅に伺ってのケアなので、生活の場に、医療者がお邪魔する形となります。

その人の家、部屋、趣味、仕事、金銭的な状況、家族との関係性など様々な事が見えて来ます。

本当、千差万別と言う感じです。

皆、それぞれ、違う状況、違う病状。

その中で、看護師として何が出来るのか。

主治医やケアマネ、介護職の方、ご家族と相談しながら

その人なりの安楽と満足を目指して行く事が、大きな目標。

でもこれは、なかなか難しいです。

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患者さんが、少しでも安心して過ごせるよう万全のサポートをしていきたい。

でも、ご家族が、介護負担があり過ぎ、倒れてしまう事があってはダメで。

安心して、看取り看取られる環境を作っていきたいという思い。

それに向かって皆で協力していくと言う日々。

正解が無いような中、最後の時までを、慣れた家で過ごし、皆さん旅立って行かれます。(もちろん、最後は入院という方もおられます。それもまた正解ですね)

その助けが、少しでも出来たらなぁと言うのが、在宅医療者の役割です。

どんな仕事でも、日々勉強、日々精進と言う感じですが、私もまだまだ頑張ろう。

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今から40年以上昔、私が中学生の頃、祖母が倒れ、在宅介護が始まりました。

食べられず痩せて行く祖母に、手厚く介護をしていた両親の姿は、今でも感動と共に思い出されます。

紙おむつも無く、ベッドも無く、介護が家族に全て委ねられていた時代。

手探りの介護、でも、あたたかい介護。

母は、准看護師として働いていた事もあり、在宅医の往診時に鼻腔栄養や褥瘡処置など指示を受け、行っていました。

その頃の母の姿が、私が看護師を目指す大きな力となったのでした。

私の原点である母。

笑顔で介護していた母。祖母の最後の時も、落ち着いて対応していた母。

いつも母に感謝していた、優しく真面目な父。

素晴らしい姿を、いつも見せてくれた両親には、本当に感謝です。

 

父は10年ほど前に天国へ。

その後、認知症となった母。その後、脳出血、入院。

 

私は、まだまだ頑張らなくては。

親孝行が足りてない。

一人暮らしの心配なんか、吹き飛ばそう。

母の為に、何かできる時間が、まだ私には残されている。